主な研究
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センノウ
センノウ属の遠縁交雑による種間雑種の育成
日本に現存するセンノウは全て、三倍体植物であることが明らかになった。センノウは三倍体であるにも関わらず稔性がある花粉が形成されることから、胚珠培養の利用により、いくつかの組み合わせにおいて種間雑種を獲得している。しかし、いずれも葉緑体欠損のため、新品種の育成には至っていない。
三倍体センノウの自殖後代の特性と育種への利用
三倍体センノウは、人工授粉するとわずかであるが種子が得られることから、約100個体の自殖後代の獲得に成功した。自殖後代は多様性があり、中には二倍体相当(2n=24)の染色体を持つ個体が3個体含まれ、花粉稔性も高いことから育種素材としての利用が期待されている。
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サクラ
リュウキュウカンヒザクラの保全に関する研究
リュウキュウカンヒザクラは、石垣島のみに自生するサクラで、自生地は天然記念物として保護されている。近年個体数の減少が進んでいることから、その保全に取り組んでいる。
ウンナンザクラとソメイヨシノの交雑により育成されたサクラの特性
香りがあるウンナンザクラとソメイヨシノの交雑により生まれたサクラの特性を調査して、芳香性のサクラの新品種の育成を目指している。
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クリスマスローズ
種間交雑によるクリスマスローズの新品種の育成
有茎種や香りを持つ野生種を交配親に用い、胚珠培養技術を利用して新しい草姿や芳香を持つ新品種の育成を目指している。
クリスマスローズの倍数性育種
二倍体系統と四倍体系統の交配による三倍体品種の育成を目指している。
生徒の熱意から始めた研究
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サツマイモ
観賞用サツマイモの育種に関する研究
花壇などに利用することができる観賞価値がある美しい葉を持つ観賞用サツマイモの新品種育成を目指した。(※終了済み)
〜研究開始までの流れ〜
研究室に分属される前のある学生が「サツマイモの研究がしたい」と希望してきた。当時、学科内にはサツマイモに関する研究をしている研究室がなかったが、どうしてもサツマイモの研究がしたいという強い意志があったため、植物の新たな可能性を探るという目的のもと、観賞用サツマイモの育種に関する研究を開始した。
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バラ
組織培養技術を用いたバラの育種に関する研究
種子が成熟する前の胚珠を取り出して胚珠培養を行うことで、バラの育種年月の短縮を目指した。(※終了済み)
〜研究開始までの流れ〜
バラの香りを研究する研究室に所属していた生命科学科の学生が、農業インターンシップやバラ農園における育種家の話を通じてバラの育種に興味を持ち、バラの育種の研究を希望するようになった。大学院進学時に花の育種を主に研究する花卉園芸学研究室に異動し、バラの育種の研究を開始した。